この集まりは、1996年年末の死刑執行を受け、本当にこれ以上執行させたくないそのために私たちに何ができるだろうか、と話し合う中から、うまれました。

さまざまな地域の方々が地道に(ときには派手なパフォーマンスも含め)それぞれ創意工夫をこらして運動を展開している、そのスタイルを見習いながら、私たちは処刑場を持つ東京拘置所周辺の地域運動として死刑廃止の声をあげていこうと思いました。

しかし「死刑廃止」を前提とすると、これからいっしょに考えていけるかもしれない人たちとの回路を閉ざしてしまいそうで「死刑について考える」会としたものです。

また、私たちの中にも、いきなり「廃止」とは呼びかけづらい、せめて「考える」ということであれば・・・という仲間もいます。
そして、綾瀬駅前でビラを配ることから始め、執行に抗議するデモや地域ビラ入れ、ミニ集会などを重ねてきました。

ビラ配布後にミーティングをもち、反省や次回の日程・ビラの内容等を相談していますので、意見や提案などもお待ちしています。

どうぞ、気軽に声をかけてください。

※X(Twitter)も行っていますので、こちらもよろしくお願いします。https://twitter.com/AyaseSobanokai

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11月のビラ №335(2025年11月15日) 


死刑廃止へのはるかな道

 6月27日、東京拘置所で白石隆浩さんの死刑が執行されました。法務省は、秋葉原事件の加藤智大さんを執行してから2年11か月の死刑執行停止に終止符を打ち、その間にあった袴田巌さんの再審無罪判決などなかったかのように、死刑を執行するという選択をしたのです。

お隣の韓国は、死刑廃止の法案が制定されたわけではありませんが、執行停止が28年続き事実上の死刑廃止国と認められています。死刑廃止を望むわたくしたちは、執行停止が続いて死刑廃止に至るという期待をいだいていました。

日本政府は世論が死刑を支持しているからと言っています。しかし死刑を廃止した国でも必ずしも死刑反対派が多数を占めていたわけではありません。

イギリスでは処刑された後で真犯人が見つかったという事件があり、無実の人間を処刑してしまったことで死刑廃止の機運が高まったといわれています。またフランスではミッテラン政権で法務大臣に就任したパダンテールが世論の反対を押し切って死刑廃止を実現させました。その後の世論は落ち着いて死刑廃止を受け入れているということです。イタリア,ドイツなど第二次大戦中に多くの死者を出した国は戦後すぐに死刑を廃止しています。

いずれの国についても死刑廃止を実現する条件は、世論の動向でも犯罪情勢の変化でもなく、死刑が人権を侵害するものであるという政治的な意思があれば世論は受けいれるということです。

しかし日本で世論の反対を押し切ってまで死刑を廃止しようという法務大臣が現れるとはとても思えません。「法務大臣が注目されるのは死刑が執行された時だけ」と言ったり、名前入りのうちわを配って更迭されたり、死刑廃止議員連盟に名を連ねていながら法務大臣に就任すると死刑を執行するという議員もいました。

5月に来日したモンゴルのエルベグドルジ元大統領は「国民から選ばれた国家の代表なのであれば、なぜ自分が国民を殺害することを選ぶでしょうか」と語り、大統領就任と同時に死刑廃止を実現しています。この国にはこう考える為政者はいないようです。

防衛費を増やし、アメリカとの協力関係を進める高市内閣にはとても期待はできません。トランプの時代には無理としてもアメリカが政府として死刑廃止に踏み切れば、日本も続くのではないかとむなしい期待を抱くだけです。(K


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